羽田に、不思議な鳥居があるという噂を耳にしました。
道の途中、何もない場所に、なぜか鳥居がぽつんと残されているのだとか。
調べてみるとこの鳥居は、少し離れた場所に移転した穴守稲荷の鳥居とのこと。
何やら物語がありそうな鳥居を訪ねて、穴守稲荷神社に参拝してみました。
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穴守稲荷神社へ御朱印を頂きに!
鳥居の持ち主である穴守稲荷神社は、京急空港線の穴守稲荷駅近くにあります。
駅を出て左手に進み、すぐの路地を右折すると、歩いて数分でたどり着くことができました。
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参道は入り口と途中に赤い鳥居があり、まっすぐご本殿まで続いてます。
しばらく境内をぐるりとお参りし、ご本殿左手にある受付で御朱印をいただきました。
御朱印300円
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その際に鳥居のことを聞いてみると、歩いて10分かからない海の近くにあるとのこと。
携帯のナビを頼りに住宅地を抜けて海にたどり着くと、弁天橋の向こう側に何とも不思議な景色が広がっていました。
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橋のすぐそばには環状八号線のロータリーがあり、大きなトラックが頻繁に通過していきます。
そのロータリーのすぐ横、海と羽田空港国際線ターミナルをバックに、ぽつんと鳥居が佇んでいるのです。
近くに寄ってみると、なかなかの大きさです。
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祟りの話を聞いていたので、もっとおどろおどろしい景色を想像していましたが、全く恐ろしい感じはありません。
むしろ、大きく開けた空と景色の中に赤い鳥居が映えて、とても美しい光景です。
穴守稲荷神社の大鳥居とは?
鳥居のそばには、穴守稲荷神社や鳥居の話が書かれています。
そこには、祟りというよりも、この鳥居や神社がいかに周囲の住人に大切にされてきたかが記されていました。
終戦後から羽田空港拡張で、鳥居には何度が撤去の話がありましたが、その度に事故が相次いだ為、動かすと祟りがあると恐れられたそうです。
そして1999年の滑走路拡張の際に、ようやく現在の場所に移されました。
今では鳥居の間から朝日が昇り、パワースポットとして人気があるそうです。
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鳥居の先には、海と空港。周辺はほぼ空地で、何もありません。
時折通り過ぎるトラックの音がするだけで、静かで心地の良い空間になっていました。
帰りは広大な空港の空地を見ながら、天空橋駅まで歩きました。
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鳥居まではこちらの方が近いようです。駅には誰もおらず、まるで異国の地に迷い込んだかのような気分に。
都内でありながら、何だか不思議な旅を終えたような気持ちになりました。
穴守稲荷神社のご利益は?
御祭神は、豊受姫命(とようけひめのみこと)。
食物や穀物を司る神様で、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛や開運の御利益があるそうです。
境内の右手には、お稲荷さんらしく赤い鳥居がずらりと並んでいました。
先には「お穴様」と呼ばれる奥の院があります。
こちらのお砂(神砂)を持ち帰って敷地内に撒くと、福を招いてくれたり願い事を叶えてくれたりするそうです。
穴守稲荷神社について
鈴木新田開拓の際、波風によって堤防に大穴があき、海水の被害がありました。
田畑を守ってもらうため、付近の住人が堤防の上に稲荷大社をお祀りしたのが、穴守稲荷神社のはじまりです。
御参拝時間
参拝は24時間可能
昇殿参拝・祈祷は9:00~16:00
御朱印・御守り授与は8:30~17:00
アクセス方法
京浜急行羽田線 穴守稲荷駅から徒歩3分
京浜急行羽田線・東京モノレール線 天空橋駅より徒歩5分
まとめ
羽田空港や、クロネコヤマトの巨大な物流拠点など、文明的なものが多くあるのに、境内だけはまるで結界で守られているかのように、静かで穏やかな空気が流れていました。
鳥居の不思議な噂から訪れたのですが、祟りなどより、神社と信仰を守ろうとする、周辺住民の暖かい気持ちが感じられました。
ORION